Q.現在の事業環境についてお聞かせください。

 少子高齢化などによる人口の減少や製造業の空洞化に加え省エネルギーの進展など、エネルギー市場は縮小傾向にあります。さらに4月から開始される電力小売自由化に続き、来年は都市ガスも自由化されます。当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。
 こうした環境変化に迅速に対応するため、静岡ガスはお客さまのニーズを捉え、お客さまに選んでいただける企業であるために「地域No.1ソリューション企業」を掲げ、中長期的な取り組みを進めています。
 不透明感が増す事業環境にあっても、当社グループは、お客さまが求めるものをきちんと把握し、その軸を決してぶらさずにサービスを提供することで、成長していくことを目指します。

Q.いよいよ本格的に開始される電力事業についてお聞かせください。

  大手エネルギー会社のように、大規模な発電設備で作る電力をエリアを問わずに販売するのではなく、静岡ガスは地域のエネルギーを活かし、地域に電力を送りたいと考えています。当社エリアには、熱を大量に使用する工場が多く立地するという特性があり、これを活かしたビジネスモデルの構築を進めています。
 具体的には、工場の発電設備(コージェネレーション)で作られた電力を買い取り、地域の再生可能エネルギーによる電力と合わせて、自社の富士発電所で需給バランスを調整、地域の皆さまの需要に合わせて電力を販売していきます。地域内の分散型電源を活用することで、供給安定性の向上やエネルギーの効率的な利用が促進されるというメリットがあります。
 ご家庭向けには、ガスと電気を組み合わせることで、お客さまの生活に最適なエネルギーの利用方法を提案し、快適さを損ねることなく省エネにつながるソリューション提案を進めていきます。

Q.今後の事業展開について、具体的に教えてください。

 ご家庭向けのくらし事業では、エリア内のお客さま1件1件のニーズを深掘りしていきます。お客さまからいただいたニーズを元に、ガスと電気、さらにくらし回りや健康などの新商材やサービスの開発を進め、くらしの分野でワンストップサービスの実現を目指します。そのためにICTを活用し、社員の力を高めていくことで、こうしたサービスを提供するお客さまの数を増やしていきます。
 マルチエネルギー事業では、業務用や産業用のお客さまに、ガスと電気、熱を組み合わせた最適なシステムを提案することで、より付加価値の高いソリューションを提供していきます。熱と電気のバランスで効率を追求するコージェネレーションは、熱(蒸気)に合わせて設備を作ると、電気が余ってしまうケースがあります。これからは、当社が電力を買い取ることができるため、お客さまは熱に合わせた設備を導入し、余った電力を当社に売ることで、より無駄がなく効率的なエネルギー利用が可能となります。さらに余剰電力を地域の再生可能エネルギーなどと組み合わせ、エネルギーを循環させます。こうしたソリューション提案でお客さまとの良い関係を築き、地域の活性化に貢献したいと考えています。
 基地事業では、都市ガスの安定的な製造に加え、新造されたLNG船のガステストを受注するなど、基地のポテンシャルを活かした取り組みも進めていきます。
 導管ネットワーク事業は、安全かつ安定的にガスをお届けすることを第一に災害に強いネットワークを構築するとともに、自由化に向けて効率化を推進していきます。
 LNGの調達については、昨年開設したシンガポール事務所のネットワークを通じて、グローバルな情報収集が可能となりました。流動化が進むLNGマーケットにおいて、有益な情報をいち早く捉えることで、調達価格の低減やLNGトレーディングなど新たな可能性に取り組んでいきます。
 これからの成長を支える人材の育成にも力を入れていきます。基地やパイプラインなどの資産を活用したこれまでのビジネスに加え、今後は、人の力で稼ぐことが成長につながります。そのために、一人ひとりの能力が発揮できる働きやすい環境を整備して、実行力や行動力といった人の力を最大限に引き出すことで成長につなげ、「地域No.1ソリューション企業」の実現を目指しチャレンジしていきます。

Q.最後に株主の皆さまにメッセージをお願いします。

 昨年は、原料価格の低下がガス販売単価に反映されるまでのタイムラグによる影響などから、大幅な増益となりました。しかしながら、ガス販売量は横ばいに留まるなど、厳しい状況が続いています。
 このような中ではありますが、株主資本配当率(DOE)なども勘案した上で、株主の皆さまの日頃のご支援とご期待にお応えするため、期末配当金を1株につき6円(年間配当金2円増の12円)とさせていただきました。先の事業環境は見通しにくい状況ではありますが、将来投資への財源となる内部留保を行いつつ、継続的な株主還元の充実を図ってまいります。
 株主の皆さまにおかれましては、今後とも格別のご支援を賜りますようお願い申し上げます。