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トップインタビュー

代表取締役社長 戸野谷 宏
代表取締役社長 戸野谷 宏

Q1.東日本大震災による被害はありましたか?

3月11日は静岡も大きく揺れましたが、当社に被害はありませんでした。また、3月15日夜半に富士宮市を震源とする最大震度6強の地震が起こりました。簡易ガス事業の2地区で感震遮断装置が作動し350件のお客さまへのガス供給を一時的に停止する等しましたが、すべての設備の安全確認作業を翌日昼には完了し復旧しました。

Q2.仙台市のガス復旧支援活動に当たったと伺いました。

業界団体の日本ガス協会の応援隊の一員として、仙台市のガス復旧活動に当たりました。都市ガス業界では、日本ガス協会が中心になり、全国の都市ガス会社が人員を派遣し、早期にガスを復旧する体制が整えられています。今回、40万戸以上で都市ガスが供給停止になっていましたが、ピーク時には1日あたり約4,000名の応援体制で、震災から約1カ月後の4月17日までに対象戸数の99%の復旧が完了しました。
都市ガス業界は復旧応援体制が整えられ、組織的に対応できるという点が、この震災で高く評価されました。

Q3.静岡ガスの地震対策について教えてください。

東海地震の発生に備え、設備の耐震性、二次災害の防止、早期復旧対策の三本柱で対策を行ってきました。様々な取り組みがあるのですが、代表的なものをお話しします。
設備の耐震性では、まず清水港のLNG受入ターミナルですが、LNGタンクは万が一の場合にもLNGが外に漏れ出さない地下式とし、地盤は液状化を防ぐために改良工事を施してあります。さらに地面をかさ上げして津波による浸水を防いでいます。そして、お客さまにガスをお届けする全長約4,000kmに及ぶガス管は、約90%が耐震性に優れた材質のガス管となり、残りの部分の入替えも計画的に推進しています。
また、二次災害の防止と早期復旧を目的として、供給区域を31のブロックに分け約500ヵ所に地震計を設置、一定以上の揺れを感知すると自動的にブロック内のガス供給を停止するシステムが構築されています。揺れが局所的であった場合、被害が想定される範囲のみガスを停止するため、早期の復旧が可能となります。
さらに、今回の震災を受け、津波に対して更なる対応策の検討を開始しました。対応策がまとまった段階で、事業継続計画を取りまとめ、必要な設備対応に着手し、総合的な安全の確保・早期復旧対策の強化を進めていく考えです。

Q4.安定供給がガス会社の責務ですね。

仙台市ガス局は、当社同様に、LNGを輸入し、お客さまにお届けしていました。震災で地下式LNGタンクに被害はなかったのですが、津波によりLNGターミナル内の配管や電気系統が損傷を受けました。ガス供給の早期復旧が危ぶまれたのですが、仙台と新潟を結ぶパイプラインを活用し、新潟から仙台のお客さまにガスをお届けすることで、早期復旧が可能となりました。
今回、この広域パイプラインによる供給力の確保がたいへん注目されました。バックアップのためだけにパイプラインを延伸することは、事業の効率化と相反し、なかなか難しいかもしれません。しかし、当社は広域パイプラインを整備し卸供給事業を拡大してきました。これが、非常時にガス供給力を確保するパイプラインになり得ます。
このように当社は、平時はもちろん緊急時の供給体制の維持について、様々な方法を検討し実行しています。

Q5.今後、注力される取り組みについて教えてください。

当社は、お客さまの設備から電気や熱をつくり、消費する地産地消型のエネルギー供給スタイルの普及に取り組んでいきます。これまで、電気やガスなどのエネルギーはただ送られてきたものを使うだけのものでした。しかし、震災をきっかけに、お客さま自身がエネルギーの種類や使い方を考えるようになり、エネルギーのベストミックスの重要性がクローズアップされています。
そのエネルギーのベストミックスを実現したモデルが、「エコライフスクエア三島きよずみ」です。この次世代型・低炭素型住宅街区は、太陽光・エネファーム・蓄電池といった設備面にスポットが当たりがちですが、実は当社がお客さまに省エネルギーアドバイスを行う「エネルギーマネジメントサービス」が特長なのです。各家庭のエネルギー生産量・消費量をモニタリングし、そのデータは毎月「エコレポート」としてまとめ、担当者が各家庭を訪問し、お客さまの最適な生活スタイルをアドバイスしています。ハウスメーカーさんからは、同様のコンセプトで分譲開発したいという話をいただいており、今後、大きく成長する事業になると見ています。
業務用・産業用のお客さまにも、ガスコージェネレーションシステムをはじめとする設備の導入を進めて、省エネルギー・省CO2を実現するとともに、天然ガスの更なる高度利用を推進してまいります。
当社は、ガス事業者として安心・安全・安定供給を責務としつつ、経済性、環境性に資するエネルギーのベストミックスのコーディネーターとして、お客さまの期待に応えていきたいと考えています。