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社長インタビュー
~ 次なる100年へ、持続的成長の基盤を築く ~

静岡ガスは2010年4月16日をもって創立100周年を迎えます。当社は、変化の激しい経営環境の中で、ガスの安定供給に努める一方、天然ガスの普及拡大に向けて積極的な経営を推進してきました。2010年には、当面の目標としてきたLNG100万トン体制が実現し、さらに次なる100年に向けた成長基盤づくりを着実に進めています。 (2010年3月インタビュー)

代表取締役社長 岩崎 清悟
代表取締役社長 岩崎 清悟

Q1.創立100周年をひかえて、率直な感想をお聞きします。

当社が1世紀にわたってガス事業を継続することができたのは、長年にわたりご愛顧をいただいたお客さま、ご支援をいただいた株主さま、地域の皆さまのおかげであり、心より感謝申し上げます。

企業活動は30年が節目といわれますが、当社は、人々の生活や社会の変化に合わせた事業を展開し、原料も石炭から石油、そして天然ガスへとシフトしてきました。天然ガスは、他の化石燃料に比べてCO2排出量が少ないクリーンなエネルギーです。これからの低炭素社会に貢献するため、その普及拡大をいっそう強化していきたいと考えています。

Q2.足元では、景気回復の兆しが感じられる一方で、まだ不安定な状況が続いています。

2009年は国内生産が低迷すると共に、景気の先行きに対する不安から消費も落ち込み、厳しい状況が続きました。当社の2009年の連結ガス販売量も、前年比約10%減と天然ガス導入以来初のマイナスとなりました。しかし、2009年2月を底に徐々に回復し、11月にはガス販売量が前年同期比を上回るまでに回復しました。

2010年はさらなる景気回復に期待していますが、世界経済の枠組みが大きく変わりつつある中で、日本経済も進むべき方向を模索している段階です。トンネルの向こうに薄明かりは見えていますが、まだまだ予断を許さない状況だと認識しています。

Q3.収益面では、原料価格が下落したことで大きく改善されましたね。

当社のガス料金は、原料価格の変動を数ヵ月遅れでガス料金に反映する仕組みになっています。このため、原料費とガス料金との間にタイムラグが生じます。2009年の上半期は、前期の原料高を反映したガス料金となる一方で、原料価格が大幅に下落しました。当期は、このタイムラグの影響で、前期のマイナスを取り戻す形で大幅な増益となりました。

一方で、原油価格は新興国の旺盛な需要を背景に、2009年初めの30ドル台からじりじりと上がり、年末には80ドル前後の高値をつけました。原油価格に連動するLNG価格も、上昇傾向にあります。当社としては、原料高価格時代を前提に、より安定的、経済的な原料の調達を進めていきたいと考えています。

世界的な景気低迷と米国内での天然ガス生産の拡大によって天然ガスの需給が緩んでいる状況です。この機をとらえて、中期的な手当てができましたので、さらに、長期的な原料確保にも取り組んでいきます。

Q4.2010年の年明けに清水エル・エヌ・ジー袖師基地の3号タンクが稼動し、LNG100万トン体制が実現しました。今後の中長期の展望についてお聞きします。

LNG100万トン体制は、2005年に発表した当社の中長期ビジョンにおいて、「2012年にLNG取扱量を100万トンとする」ことを打ち出したものですが、2年前倒しで実現できました。その要因は、エリア内の大口需要を積極的に開拓したことに加え、関東・甲信越地方などにガスを供給している国際石油開発帝石さん(INPEX)への卸供給がスタートしたことです。さらに、中部ガスさんとの共同事業による静岡―浜松間の高圧パイプライン「静浜幹線」も先行区間の工事を開始しており、袖師基地をハブターミナルとする広域供給体制は大きく前進しつつあります。

当社にとって、100万トン体制は一つの通過点に過ぎません。今後も10年、20年先の持続的な発展に向けて、必要な布石をタイムリーに打っていきたいと思っています。

Q5.10年、20年先のビジョンにおいて重要なポイントはどのようなことでしょうか。

「低炭素社会への対応」がキーワードです。当社が果たす役割を見定め、時代を先取りしてビジネスに具体化していくことが重要になります。

日本は1990年比で25%のCO2削減を国際社会に公約していますが、天然ガスへの転換が最も現実的な対応策です。25%削減というきわめて高い目標をクリアするには、ガス供給者とお客さまが協力してより効率的な利用に取り組む必要があります。例えば、発電と共に排熱を利用するガスコジェネレーションシステムにより飛躍的にエネルギー効率を高めることができます。さらに、お客さまが削減したCO2を「排出権」という価値に変えるサービスにも、積極的に取り組んでいきます。このような取り組みを進めて、お客さまと共に次なる時代に適合したエネルギーの利用方法を追求していきたいと考えています。

Q6.2009年8月の駿河湾地震は記憶に新しいところですが、地震対策についてお聞きします。

早くから袖師基地の耐震対策やガス管の耐震化などに取り組んできたこともあって、先の駿河湾地震では全く被害はありませんでした。また、2007年から地震発生時の二次災害防止と早期復旧を同時に可能にする緊急供給停止システムの構築を目指してきました。これは供給エリアを31ブロックに分けて、一定以上の大きな揺れを感知したブロック内のガスの供給を自動停止するもので、465カ所に地震計を増設しました。2010年より全エリアでシステムが稼動し、地震対策の強化を図っています。

Q7.家庭燃料電池「エネファーム」が好調なスタートを切ったようですね。

おかげさまで2009年度は目標の50台を完売しました。改めてお客さまの環境への関心の高さを実感し、手応えを感じています。快適さを維持しながら省エネを進めることは難しいテーマですが、燃料電池で電気とお湯をつくる「エネファーム」は、まさにこれを可能とする低炭素社会に最適なシステムです。今後は機器メーカーと協力して低価格化を図り、さらなる普及に弾みをつけたいと考えています。エネファームの多くは太陽光発電と組み合わせた「W発電」仕様ですが、さらなる低炭素社会の実現に向けた取り組みのひとつとして、エネファーム・太陽電池・蓄電池を備えた先進的住宅モデルタウン「エコライフスクエア三島きよずみ」の構想も進めています。

Q8.2010年7月から子育て支援施設が開園しますね。

100周年記念事業のひとつとして、静岡銀行さん、静岡鉄道さんのご協力もいただき、働く女性の子育てを応援するために「森のほいくえん」を静岡工場跡地に設けることになりました。この施設では、子供たちが自然に親しむと共に、大人が働く姿も間近に見えるようにしていきます。また、当社が進めている食育も取り入れたいですね。

Q9.最後に、株主・投資家の皆さまにメッセージをお願いします。

100周年を迎えることができたのは、株主さまをはじめ多くの皆さまに支えていただいたおかげです。皆さまに報いるには、安定供給を第一に、さらなる成長を続けることだと考えております。天然ガスの広域供給をいっそう拡大すると共に、来るべき低炭素社会においても存在感のある会社であるよう挑戦と努力を続けてまいりますので、引き続きご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。