110周年を機に、地域共創の取り組みへ

Q.今年で創立110周年となりました。今と未来に向けた思いを聞かせてください。

 本年4月16日に創立110周年を迎えることができました。これも株主の皆さまをはじめ、お客さま、地域社会の皆さま、お取引先さま、そして従業員など、数多くのステークホルダーに支えられてきたおかげだと改めて感慨深く感じています。

 創立110周年を機に、「BRIDGE SHIZUOKA」と題した地域の課題や未来に関するトークイベントを始めました。この取り組みを切り口に、静岡の未来を、静岡の皆さまとともにつくっていく「地域共創」に取り組んでいきたいと考えています。

 今、静岡県内には地域の活性化や人々を元気にするための活動をされている方がたくさんいます。また、これから活動しようとしている人もいます。そうした方たちの声を発信し、皆さまと意見を交わしながら、人と人がつながっていくためのかけ橋となるような役割を当社が担っていきたいと考えています。

コロナ禍を受けて、業務用・産業用のガス販売量が大きく減少

Q.新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を聞かせてください。

 国の緊急事態宣言が発出されて以降、いわゆる「ステイホーム」の浸透によって家庭用のガス販売量は堅調に推移しました。一方、業務用は飲食店やホテルなどの利用客減少により、産業用は輸出の減少などから工場の稼働減を主因に販売量が大きく落ち込み、上期のガス販売量全体では前年を下回る厳しい状況となりました。

 お客さまとの接触を極力控えるため、約1ヵ月間はご自宅を訪問しての営業を全面的に停止しました。ただ、コロナ禍が落ち着き始めると、大変ありがたいことに、お客さまから声をかけていただき訪問する機会が増えてきました。これまで築いてきたお客さまとの信頼関係の賜物だと嬉しく思います。しかしながら、まだ感染拡大の収束が見通せない状況ですので、お客さま、従業員の安全に十分配慮し、非接触型、非対面型の新しい営業方法も取り入れながら、コロナ時代に対応した営業スタイルを確立していきます。

Q.新型コロナウイルスの感染対策について聞かせてください。

 地域を支えるインフラ事業者としてガスの製造や供給を止めるわけにはいきません。そのため製造・供給部門の従業員は、公共交通機関を避け自家用車による通勤とすることや、他部門と通用口や事務所内の動線を分ける対策から行いました。製造業務は4チームが交代制で行っていますが、バックアップ用に1チーム増やし、万が一新型コロナウイルスの感染者が出ても製造や供給を止めない体制とし、交代勤務の引継ぎもWeb会議システムで行い接触を避けるなど、徹底した対策を行っています。

 管理部門には積極的にテレワークを導入しました。今回、コロナ禍を受けて緊急避難的に開始しましたが、今後は正式な制度として定着させます。また、人が集まって行うリアルな会議が少なくなったこともコロナ禍による大きな変化です。これを機に社内会議のあり方を見直して、リアル会議、Webによるリモート会議を使い分けていきます。従業員の安全確保と働きやすさ、そして生産性向上のバランスをとり、新しい働き方の導入を目指します

インフラの強靭化や電力事業の契約件数は順調に進展

Q.中期経営計画の進捗を聞かせてください。

 すでに公表しているとおり、今年から3か年で400億円以上の投資を行う計画で、その約半分が基盤事業の強靭化に向けた投資となります。以前から進めている経年ガス管を地震に強いガス管に入れ替える工事と合わせ、基幹パイプラインの補強対策を実施し、2023年までの完了を予定しています。LNG基地はこれまでも静岡県が公表する地震被害想定などをもとにした対策を講じてきましたが、さらなる対策に取り組んでいるところです。

 電力事業は、当社のガスと電気をご契約いただくと料金がお得になるセット割プランなどの効果もあり、家庭用のお客さまを中心に堅調に推移、4月にはお客さま数が5万件に達しました。さらに、余剰電力の買い取りや太陽光発電設備の故障診断等を行うサービス「SHIZGASあなたにフィット」の展開などにより、お客さまの信頼に応えていくことで、2022年には8万件を目指します。

SDGsの考え方は当社グループの事業と合致

Q.SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みと、それを公表した目的を聞かせてください。

 当社は、エネルギー事業者として、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく責務があります。創業当初は石炭を原料に都市ガスを製造していました。それが石油に代わり、今は化石燃料でCO2(二酸化炭素)排出量が最も少ない天然ガスが原料です。今後も天然ガスの普及拡大を図りつつ、高効率・省エネルギー型の設備の普及を促進し、環境負荷の低減に努めていきます。また、少し先を見据え、太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギーにも取り組み始めました。さらに、中長期的な取り組みとしてCO2(二酸化炭素)を排出しない水素エネルギーの実用化に向けた研究にも関わっていきたいと考えます。

 こうした事業活動そのものがSDGsの考え方に合致しており、それを積極的に社外に発信し、知っていただくことは大事なことだと考えました。また、SDGsを考えることで従業員一人ひとりの業務が、いかに社会の役に立ち、会社の利益に貢献しているかを実感できれば、従業員のモチベーション向上につながるものと思います。

Q.SDGsに関連した官民連携のまちづくりについて教えてください。

 静岡県島田市とSDGsを先導するまちづくりに関する協定を締結しました。今後15年間にわたる事業となりますが、目的は主に2つです。ひとつは島田市の電力調達費用の削減です。もうひとつは、市役所などの公共施設に太陽光発電設備や蓄電池などを設置して発電した電気を市内で循環させることです。この事業は環境にやさしいだけでなく、地域活性化や災害に強いまちづくりにも貢献できると考えています。

 静岡県富士市とも温暖化対策包括連携協定を締結しました。再生可能エネルギーの普及と拡大、新たなテクノロジーの導入により、官民連携で温室効果ガスの排出削減に取り組みます。

 このような取り組みを、他の自治体や地域などへも拡大していきたいと思っています。

地域貢献を通じてさらなる企業価値の向上を図ってまいります

Q.株主の皆さまへのメッセージをお願いします。

 110年にわたり、地域のくらしを支えるためのガス事業に取り組んでまいりました。2016年には電力事業に参入し、以降もエネルギーを中心としたくらしに関する新たなサービスを提供し続けています。今後も「地域No.1ソリューション企業グループ」を目指し、人々の快適なくらしと地域の活性化、持続可能な社会の実現に向けたチャレンジを続けてまいります。

 当社は株主の皆さまへの利益還元を経営の重要事項のひとつととらえ、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。その方針に基づき、2020年度中間配当金は、1株につき8.5円といたしました。また、年間配当金は、1株につき17円とする予定です。

 株主の皆さまには、引き続きのご支援ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。